
30代の男性に刺さるおすすめの小説を探しているけど、どれが面白いのかわからない。



小説をとおして面白い疑似体験がしたい!
この記事は上記の要望に応えます!
30年以上生きると精神的にも大人になり、いろんなものを見てきたこともあってか、並みの作品では満足できなくなった。という人も多いのではないでしょうか。
そんな方には、自由闊達に表現された小説の世界はすごくおすすめです。
謎、秘密、企み、野望、嫉妬、笑い、感動――。小説の世界では、様々な出来事が想像を超えて巻き起こります。
そこで、僕が30代で読んだ小説の中で心に深く刺さった作品を紹介したいと思います。
- 30代におすすめの小説10選
- 番外編1選
各作品の面白かった点について独自の感想も書いています。
友達とおしゃべりするような感覚で気軽に読んで、本選びの参考していただけると幸いです。
【30代男性におすすめの小説10選】内容&感想
『何者』朝井 リョウ
就活があばく登場人物の本性にドキッとする
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。
瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。
だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。(後略)
引用元:新潮社
「【注意】就活や恋に悩む主人公と、その周りにいる同世代の仲間たちのキラキラ青春群像劇だと思って読むと、心をえぐられる危険性があるため、読書の際は心してお読みください」とのアナウンスを入れてほしい作品です。
あらすじだけだと、一見キラキラした青春物語のように見えますがそうではありません。
例えば主人公の拓人は、表向きは分け隔てなく皆と仲良くしているように見えて、裏では本音をぶちまけています。
これがまあ、中々の生々しさなんですが、共感できる部分もあり「その感覚わかる」と思ってしまった自分にゾッとしてしまいました。
ほかにも様々なタイプの登場人物が出てくるため、自分に近しいタイプの人物に共感できるようになってはいますが、読む際は心をえぐられないよう十分ご注意ください。
かつて就活をしていた時の自分と重なる登場人物がいて共感できる
痛いところを突かれ、身につまされたい
\読後さらに作品を楽しめる/


『カエルの楽園』百田 尚樹
平和ボケした国の末路をごらんください
命がけの旅の末に『楽園』にたどり着いた2匹のカエル。しかし、楽園と思ったその国の不可解さが徐々に見え始める…。
日本とその周辺国の状況を風刺した大人の寓話。
僕は本作を読む前と読んだ後で、日本の見え方がガラッと変わりました。
日本という国の危うさには薄々気づいていましたが、本作をとおしてその危うさを痛感したからです。
例えば、主人公のカエルたちがたどり着いた楽園に住むカエルたちは『三戒』とよばれる戒律を信じています。
三戒は「1.(世の中のすべての)カエルを信じろ 2.(世の中のすべての)カエルと争うな 3.争うための力を持つな」という3つの掟で構成されています。
この三戒は大昔に作られ、楽園に住むカエルたちはずっと守ってきたと言います。そしてそのおかげで争いのない国を築けたのだと。
主人公たちが「他の国には悪いカエルもいるから、この国に攻めてくるかもしれないよ。そのときはどうするの?」と言うと、楽園に住むカエルは「三戒を守っている限り、攻められたり、襲われたりすることはない。これまでそんなことは一度もなかった」と一蹴します。
この話、皆さんはどう思いますか。そして何かと似ているような…。
日本の状況を見つめ直すには、うってつけのおすすめ小説です。
- この本をきっかけに政治への関心が高まる
- 日本の未来に対する自分の考えを形成するきっかけになる
- 風刺や皮肉が好き
- 小説を通じて日本の状況を見つめなおしたい
\読後さらに作品を楽しめる/


『永遠の0』百田 尚樹
人を愛するとは、国を想うとは
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。
終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくる――。
記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
引用元:講談社文庫
百田尚樹さんの代表作であり、大ベストセラー小説。
この小説は、感動とか悲しいとかそういうシンプルな言葉ではとても言い表せません。
登場人物たちの受け止め切れないほどの大きな思いが伝わってきて、胸をいっぱいにしながら読みました。
太平洋戦争の時代、勝利のために人命があまりにも軽く扱われる中、大切な人を思い、命がけで戦い、生きた人たち。
彼らの生き様を見て、人を愛するとは、国を想うとはどういうことかを深く考えさせられます。
今を生きるすべての人たちに読んでほしい作品です。
- 太平洋戦争で日本がなぜ負けたのか、その理由がわかる
- 言葉にならないくらい心揺さぶられる体験ができる
今を生きる大人として、太平洋戦争について知り考える機会をつくりたい
『未来』湊 かなえ
のめり込んで息をのむ。至高の社会派ミステリー
「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。あなたはきっと、これはだれかのイタズラではないかと思っているはず。だけど、これは本物の未来からの手紙なのです」
ある日、突然、少女に届いた一通の手紙。送り主は未来の自分だという――。
家にも学校にも居場所のない、追い詰められた子どもたちを待つ未来とは!?(後略)
引用元:双葉文庫『未来』裏表紙のあらすじ
湊かなえさんのデビュー10周年を記念した作品。
至高のミステリー体験をするなら、やっぱり湊先生の作品です。
本作の魅力は、ミステリーとして秀逸でありながら、物語の背景に、親の愛情を十分に受けられない子どもたちが実際にいるというテーマが、リアルに描かれているところです。
未来の自分から手紙が届くという謎めいた出来事から始まり、人間の闇や登場人物の過去など、真相を追わずにはいられない出来事が次々に起こります。
その真相を追っていくと、衝撃の事実が待ち受けているという王道ミステリーです。
一方、真相を追う中で家庭の問題に苦しむ子どもたちの姿を目の当たりにすることにもなってしまいます。
しかし、魅力的なミステリーの背景で現実の問題が生々しく提起されていることが、本作をより深みのある作品にしています。
- 王道ミステリーかつリアルで生々しい人間模様に引き込まれる
- 深いテーマ性が背景にあり、大人の読者を惹きつける
重厚な本格ミステリーが読みたい!
\読後さらに作品を楽しめる/


『夜市』恒川光太郎
ひっそりとひらく、別世界への入口
妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。
小学生の時に夜市に迷いこんだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。
野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた――。
奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂をゆさぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
引用元:角川ホラー文庫『夜市』裏表紙のあらすじ
何でも手に入る夜市で、弟を売り野球の才能を手に入れた兄の話『夜市』、不思議な古道に迷い込んだ少年達の話『風の古道』の二本立て。
2本ともホラーというより異世界もので、そんなに怖くない話になっています。
僕が感じたこの作品の魅力は2点ありました。
1点は、物語全体をとおしての異世界の雰囲気。
幻想的で、少し怖くて、寂しくて、人の優しさを感じられる。過去の記憶にはない遠い日を思い出すような、不思議なノスタルジーを感じられます。
もう1点は、異世界への入口がすごく身近にあるということをリアルかつ魅力的に描かれており、一歩間違えたら自分も経験していたかもしれない、と思わされる怖さです。
小学校の頃の帰り道で、通学路から外れて裏道や抜け道を通った経験って、多くの人にあると思うのですが、実はそういう場所に別世界への入口があり、うかつに迷い込んでしまうと…。
そんな隣り合わせの恐怖を体験することができます。
読んだ後も深く心に残るハートウォーミングなホラー作品。よかったら本作の世界を訪れてみてください。
- どこか懐かしい郷愁にひたれる
- 身近にある怖さを感じられる
優しい気持ちになれるホラーが読みたい
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『告白』湊 かなえ
This is イヤミス
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。
語り手が「級友」「犯人の家族」「犯人」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。
衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。
引用元:双葉社
累計発行部数350万部超え。イヤミスの女王、湊かなえさんの代表作です。
『イヤミス』(嫌な気分になるミステリー)という言葉を世に広めた作品でもあります。
登場人物たちから話を聞くような形で物語は進んでいくのですが、いやあもう、人の心の闇にざわめきが止まりませんでした。
特に誰の告白が――と紹介したいところですが、出てくる人物、ほぼ全員闇深いので絞り切れません(汗)
そして、事件の真相はその闇の中に隠れています。
極上のミステリーをぜひ味わってみてください。
冒頭から衝撃の告白。事件の真相を追いかけずにはいられない!
戦慄する体験がしたい、事の真相を解き明かしたい
\読後さらに作品を楽しめる/


『コンビニ人間』村田 沙耶香
「普通」への痛快なアンチテーゼ
36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。
「いらっしゃいませー!!」お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。
ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。(後略)
引用元:文藝春秋BOOKS
ひと言で言うと、「普通」を強要する社会を痛快に皮肉った作品です。
特に、特殊な人間性の主人公古倉さんが、”普通の社会”に順応するために、物事をシステマチックにとらえて行動するところは、シニカルでありつつ社会への批判性を感じました。
例えば古倉さんは、普通の人の話し方が分かりません。
そのため、他の人が話している様子を、AIのごとく分析、学習して話します。
「この場面では、あの人の話し方と別のあの人のトーンをミックス、顔の筋肉のここを動かして表情を作り、このセリフを言うのが”普通”の人と思われる最適解」みたいな思考で話すんです。
ちょっと、異常ですよね。
しかし「社会が皆に ”普通” を強要するせいで、こんないびつな生き方を強いられてる人もいるんだぞ」という痛烈な皮肉を感じられ、小気味良ささえ感じました。
社会で生きづらさを感じている人におすすめできる作品です。
”普通” を強要する社会への痛烈な皮肉を感じられる
- 日本社会に漂う横ならび意識に違和感がある
- 社会で生きづらさを感じている
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『おいしいごはんが食べられますように』高瀬 隼子
濃厚ドロドロスープ小説
二谷はある会社の小さな支店で働くアラサー男性社員。同じ職場で働く芦川と付き合っている。
しかし、食べることに興味のない二谷は、芦川がおいしいものを味わう価値観を押し付けてくることに嫌気がさしていた――。
ある日二谷は、同じ職場の女性社員押尾から「一緒に芦川さんにいじわるしないか」と提案される。
押尾もまた、仕事ができないのにちやほやされている芦川にモヤモヤした気持ちを抱いていたのだった―。
多くの人が職場で感じる”スッキリしないこと”を代弁する傑作小説。
職場でなんとなく皆が感じている不満を、登場人物をとおして共感できる作品。
「こういう人いるいる」「この人のモヤモヤした気持ち分かる」と思わされる場面がたくさんあります。
僕は最初に読んだ時、仕事ができない芦川さんや彼女を特別扱いする周囲の人に不満を抱いていた押尾さんに共感していました。
しかし、時を経て読み返してみると、芦川さんを特別扱いする周囲の人の言い分も一理あるなと思えるようになっており、自分自身の変化を感じました。
読むタイミングによって、共感できるところが変化するのも本作の面白い点です。
普段心の中で思っていることを登場人物が代弁してくれている
- 職場の人間関係で不満を感じている
- ドロドロした人間関係を描いた作品が好き
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『方舟』夕木 春央
最悪のミルフィーユ、いかがですか?
極限状況での謎解きを楽しんだ読者に驚きの〈真相〉が襲いかかる。
友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。
いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。
タイムリミットまでおよそ1週間。生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。
引用元:講談社
これは…。最後まで読んだ時に、しばらく言葉を失ってしまいました。
ネタバレになるので詳しくは話せないのがもどかしいですが、とにかく度肝を抜かれましたね。
謎の地下建築「方舟」内の古びた設備、カビ臭さ、湿気、じりじりとせり上がってくる水などが臨場感たっぷりに描かれており、物語の世界に没入できる点も良かったです。
方舟内で不可解に起こる殺人を、主人公たちと一緒に推理していくことになります。
覚悟ができた人はぜひ、方舟へ潜入してみてください…。無事をお祈りしております。
信じられない衝撃を味わえる
- 推理ミステリーが好き
- 方舟へ行く覚悟のある人
『黄色い家』川上 未映子
金は人を裏切らない
2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。
60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。
長らく忘却していた20年前の記憶―貴美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。
まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな”シノギ”に手を出す。
歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい……。
引用元:中央公論新社『黄色い家』帯のあらすじ
この作品の感想を一言で述べよ。という質問をされたら「喜怒哀楽を全部感じた」と僕は答えます。
今まで様々な小説を読んできましたが、一番色んな感情を揺さぶられた作品です。
特に感情を揺さぶられたのは、中盤以降の主人公の花の変わり方です。
花は貧乏な母子家庭で育ちながらも、ひたむきに努力して自分の人生を変えようとします。
しかしその花が、お金のことで苦しみ、中盤以降少しずつ醜く変わっていくんです。
序盤で花に感情移入しているため、花が変わっていく様子が痛々しくて哀しくて、途中途中で目をつぶって閉口してしまいました。
笑って、泣いて、怒って、楽しんで。様々な感情を伴いながら主人公の人生を追体験できる、おすすめの作品です。
喜怒哀楽色んな感情を揺さぶられる。
社会の闇を描いた作品が好き
\読後さらに作品を楽しめる/


番外編:『嫌われた監督』鈴木 忠平
あの8年間の舞台裏
なぜ 語らないのか。
なぜ 俯いて歩くのか。
なぜ いつも独りなのか。
そしてなぜ 嫌われるのか――。
中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。
それでもなぜ、落合博満は〝嫌われた監督〟であり続けたのか。
謎めいた沈黙と非情な采配。そこに込められた深謀遠慮に翻弄されながら、真のプロフェッショナルへと変貌を遂げていった男たちの証言から、孤高にして異端の名将の実像に迫る。
著者の鈴木忠平氏は中日の番記者として8年間担当。新たな落合監督像を浮かび上がらせると共に、中日が「勝てる組織」へと変貌していく様をドラマチックに描く。
組織における人材登用術、リーダーの覚悟などビジネスパーソンにも大きな影響を与えた傑作ノンフィクション
引用元:文藝春秋BOOKS
小説ではありませんが、番外編としておすすめしたいのがこの『嫌われた監督』。
野球好きの人にとっては至高の面白さ間違いなしです。
クセすごな落合監督のキャラクター、作品のドラマ性、実際の出来事の裏側など、見どころ満載なのですが、特にこの本を書いた記者の鈴木忠平さんの取材力の高さには脱帽でした。
落合監督はもちろんのこと、選手やフロント、スタッフ、さらには落合夫人まで様々な人と会って話をし、限りなく本音を引き出していることが、読んでいるとよく分かります。
その取材力の高さによって本書は、大河ドラマ級の壮大な物語に仕上がっているんです。
普段小説しか読まないという方にも、おすすめできる傑作ノンフィクションです。
高い取材力により構成された壮大なドラマ
- ドラゴンズ黄金期(2004~2011年)をリアルタイムで見ていた
- プロ野球ファン
- 野球が好き!
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【30代男性におすすめの小説10選】まとめ


今回は小説以外のおすすめの本をご紹介しました。
ご紹介した本は以下のとおり。
ではまた!
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