『割に合わないことをやりなさい』レビュー|新卒を優遇する企業の裏の狙い

先日、ユニクロが2026年度の新卒初任給を37万円に引き上げるというニュースを目にした。そのほか、日本生命やオープンハウス、大和証券などの大手企業も新卒の給料を引き上げるという。

採用する企業側にアンケートをとると、人手不足な状況の中で人材を確保することが一番の目的とのこと。

若い人の給料が上がっていいことだが、一方で既存社員の給料アップの話はあまり聞かない。これには次のような企業側の思惑があると見ているのは、僕だけだろうか。

企業は急速に発達してきたAIを積極的に活用し、管理業務を自動化することで、コスパの低い管理職を減らしてコストを削減、利益拡大を図りたい。しかし、日本には解雇規制があって簡単に従業員を解雇できない。

だから新卒の給料だけを上げ、管理職を含む中間社員層に不満を持たせて自主的に会社を去ってもらう。ただ、一部の優秀な管理職には好待遇を出して残ってもらうようにする――。

僕のこの臆測が正しい場合、日本でも、業務のAI代替に伴う解雇整理が始まったということである。そう思うと、危機感が一気に背筋を走った。

今回読んだ『割に合わないことをやりなさい』の著者、小玉さんも本書内で同様の主張をしている。

『人類は今や、コスパ、タイパ、効率化に支配されている。このまま支配され続ける人は、いずれ職場からも淘汰されるだろう』(引用元:KADOKAWA『割に合わないことをやりなさい』)

そしてこう続けている。『だからこそ、AIが決して選択しない、割に合わないこと、効率的ではないこと、手間がかかるようなことをあえてやってみることが大切。それらを楽しむことで、AIには決して出せない、その人にしか出せない魅力が形成されていく』(引用元:KADOKAWA『割に合わないことをやりなさい』)

本書ではかつて効率化に傾倒していた著者が反省の末に気づいた、AIには決して真似できない、他人から求められる人間的な魅力を生むための考えが紹介されている。

最近のAI化の勢いに危機感を感じる方は、ぜひ一読してみてほしい。

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