ノイキャン機能付きヘッドホンが快適すぎて手放せない。
毎日通勤時に装着しているが、周囲の雑音が消え、静かな“自分だけの空間”が広がる。
おかげで通勤時のストレスはぐっと減り、読書や考えごとにも集中できるようになった。
そんな自分と重なるような主人公が、本作には登場する。
冒頭のシーン。主人公はノイキャンイヤホンで音楽を聴きながらスマホをいじり、電車内で自分だけの空間に浸っている。
ふと横を見ると母親に抱かれた赤ちゃんが泣いている。イヤホンを外すと赤ちゃんの騒がしい鳴き声。
それに耐えられなくなったサラリーマンが、母親になんとかしろと怒鳴りつける。
見過ごす周りの乗客――。主人公もまた我関せずとイヤホンをつけ直す――。
やがて彼は降車駅で電車を降り、そこから例の“8番出口”へと迷い込むことになるのだ。
ノイズを遮断して得られる快適さ。しかしその遮断によって、日々の生活の中で何か大切なものを見逃しているのではないか。
鑑賞後、僕は本作が、人生のどこかでうっかり落としてしまった物を届けてくれたような感覚を抱いた。
作中では、なぜ主人公たちが8番出口に迷い込んだのか、その理由が少しずつ明らかになっていく。
彼らが脱出とともに、自らの”落とし物”にも気づけるのか。皆さんにもぜひ見届けてほしい。
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