町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』が気になる。
読んだ人の感想や書評を見て、読むかどうか判断したい。
この記事は上記の要望に応えます!
今回は『52ヘルツのクジラたち』の紹介記事です。
2021年に本屋大賞を受賞し、2024年には映画化もされた本作品。
話題の作品なので僕も「この作品はハズさないだろう」と思い、書籍を購入し読んでみました。
結果、深く心に残る素晴らしい作品に出会えて大満足でした。
そこで、僕が感じた本作の魅力を、概要とともにご紹介したいと思います。
- あらすじ ※ネタバレなし
- 相関図・登場人物
- おすすめポイント
- こんな人におすすめ
本作をより楽しめる内容になっていますので、よかったら最後までチェックしてみてください。
【『52ヘルツのクジラたち』書評・感想】あらすじ ※ネタバレなし
東京でのつらい過去から逃れる様に、大分の小さな田舎町に越してきた貴瑚。
そこで親から虐待され、ムシと罵られる孤独な少年と出会う。
貴瑚と少年が触れ合う中で、ふたりの悲しい過去が明らかになっていく…。
ギリギリの気持ちで毎日を必死に生きる人たちの物語。
誰にも届かない、彼らの “52ヘルツの声” に周波数を合わせた名作。
クジラは通常、10〜39ヘルツの鳴き声を発して仲間とコミュニケーションをとる。
しかし通常よりも高い、52ヘルツで鳴くクジラがいることが調査研究で判明している。
52ヘルツのクジラの声は他のクジラには聞こえず、誰にも届かない声を発し続けているという。
そのため「世界で最も孤独なクジラ」だと言われている。
【『52ヘルツのクジラたち』書評・感想】相関図・登場人物
まずは本作品の相関図と、主要な登場人物をご紹介します。
相関図
主要な登場人物
貴瑚:主人公の女性。わけあって東京から大分の小さな田舎町に引っ越してくる。
少年:貴瑚が引っ越してきた田舎町に住む少年。女の子のような容姿をしている。
美晴:貴瑚の親友。突然引っ越してしまった貴瑚を心配して大分までやって来る。
品城:少年の祖父。地元の中学校で校長をしていた。現在は定年し老人会の会長をしている。
琴美:少年の母親。地元の定食屋で働いている。少年『ムシ』と呼び虐待している。
真帆(まほろ):地元の家電修理屋で働く男性。惚れっぽい性格で、東京から越してきた貴瑚にも好意を抱く。
サチゑ:真帆の祖母。貴瑚が越してきた町に昔から住んでおり、町の情報にやたら詳しい。
アンさん(安吾):美晴の同僚で塾講師。過去に美晴とともに貴瑚を助けた。
貴瑚母:貴瑚の母親。過去に貴瑚を虐待していた。妾だった自分の母親(貴瑚の祖母)を嫌悪している。
【『52ヘルツのクジラたち』書評・感想】おすすめポイント
僕のおすすめポイントは以下3点。
-
- 貴瑚と少年の心が繋がり合っていく
- 人間愛にあふれた素敵な人物たち
- やさしくおだやかな読後感
1つずつご紹介します。
貴瑚と少年の心が繋がり合っていく
一番のおすすめポイントは、”孤独なクジラ”だった貴瑚と少年が出会い、一緒に過ごす中で心の深いところで繋がり合っていく点です。
本作品は貴瑚と少年の話が交互に展開していく構成になっています。
その中でふたりがお互いを理解しあい、心の深いところで繋がり合っていく姿に胸がいっぱいになりました。
貴瑚と少年の心に直接触れているかのように、冷たさや暖かさ、とげとげしさや鼓動が伝わってくる文章表現も素晴らしかったです。
人間愛にあふれた人物たち
本作品には、はっきり言ってろくでもない人物が少なからず登場します。
しかし一方で、人間愛にあふれた人物たちもたくさん出てくるんです。
例えば、貴瑚の親友である美晴とその同僚であるアンさんは、虐待と介護でボロボロになっていた貴瑚を、すんでのところで助け出します。
そして貴瑚が新しい人生を歩めるように、自分たちにできうる限りのことをして力になろうとします。
他にもたくさんの粋な人たちと出会える物語である点も、本作品の魅力の1つです。
やさしくおだやかな読後感
ラストはあたたかく、希望を持てる終わり方になっています。
本作品は繊細に心情が描かれ、人生の中で苦しんでいる人たちの様子が生々しく描かれています。
そのため、読んでいる途中で非常に胸を締め付けられることもありますが、最後は前向きで穏やかに物語は終わります。
「嫌な気持ちで読み終わる物語が苦手」という方、安心してください。
【『52ヘルツのクジラたち』書評・感想】こんな人におすすめ
- 読みやすく、感情移入しやすい小説を探している
- 深い人間ドラマが描かれた小説を読みたい
- 登場人物の心の動きを繊細に描いた小説が好き
- 人の優しさに触れたい
- 人の気持ちを想像する力を養いたい
- 軽快な小説を読みたい
- 色んなことがあってメンタルが不安定
- リアルで生々しい人間描写が苦手
- つらい思いをしている人を見たくない
- 現実逃避したい
【『52ヘルツのクジラたち』書評・感想】まとめ
今回は町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』を紹介しました。
気になる方はぜひ読んでみてください。
ではまた!
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