『嫌われた監督』感想・書評|野球ファン必見!今明かされる落合中日の秘密

落合さんの監督時代のことが書かれた『嫌われた監督』が気になる。面白いのかな?

この記事は上記のような要望に応えます!

今回は、元新聞記者の鈴木忠平さんの著書『嫌われた監督』の感想・書評を含めた紹介です。

本作品、結論から言うとすごく面白かったです!

落合さんが中日の監督をしていた時代(2004〜2011年)はまさに黄金期でしたが、チーム内で様々な事件が起きました。

鈴木さんは記者として深くチーム内に入り込み、数々の事件の裏側、落合さんが考えていたこと、選手やフロントの悩みや葛藤などをつぶさに取材されています。

黄金期のドラゴンズが「落合博満」という男によって築かれ、終焉を迎えるまでを、様々な人の視点から目の当たりにできる、非常に興味深い一冊です。

この記事でわかること
  • 個人的に面白かったストーリーを一部ご紹介
  • 本書をおすすめできる人
  • 読んだ人の感想

本書の面白さを体感いただき、購入するかどうかの参考にしてもらえると幸いです。

目次

【嫌われた監督 感想・書評】本の概要

概要

嫌われたっていい。俺のことを何か言う奴がいても、俺はそいつのことを知らない。

なぜ 語らないのか。

なぜ 俯いて歩くのか。

なぜ いつも独りなのか。

そしてなぜ 嫌われるのか――。

中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。

それでもなぜ、落合博満はフロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴び続けたのか。

秘密主義的な取材ルールを設け、マスコミには黙して語らず、そして日本シリーズで完全試合達成目前の投手を替える非情な采配……。

そこに込められた深謀遠慮に影響を受け、真のプロフェッショナルへと変貌を遂げていった12人の男たちの証言から、異端の名将の実像に迫る。

「週刊文春」連載時より大反響の傑作ノンフィクション、遂に書籍化!

引用元:文藝春秋BOOKS

著者:鈴木忠平氏

1977年、千葉県生まれ。愛知県立熱田高校から名古屋外国語大学を卒業後、日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を16年間担当した。

2016年に独立し、2019年までNumber編集部に所属。現在はフリーで活動している。

著書に甲子園最多本塁打の強打者と、敗れた投手たちの人生を描いた『清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実』がある。

また取材・構成を担当した本に、覚醒剤取締法違反で執行猶予中の清原が自らを振り返った独白集『清原和博 告白』『薬物依存症』がある。

引用元:文藝春秋『嫌われた監督』裏表紙うらの著者紹介

【嫌われた監督 感想・書評】内容紹介

本書はドラゴンズ黄金期に起こった14の物語で構成されています(プロローグ&エピローグ含む)。

14の物語の中で、個人的に特に面白かった3つの物語について、一部内容をご紹介します。

紹介する物語は以下のとおり。

CHECK
  • 立浪に宣戦布告した森野
  • 日本シリーズ完全試合未遂
  • 女傑・信子夫人

1つずつご紹介します。

【嫌われた監督】立浪に宣戦布告した森野

こんな物語

『第2章 森野将彦 奪うか奪われるか』

1996年、ドラフト2位でドラゴンズに入団した森野選手は、天才的なバッティングの才能を武器に1年目から1軍でホームランを打つなど活躍します。

自身も周りもいずれはレギュラーとして活躍すると信じて疑いませんでした。

しかし、毎年レギュラー獲得には及ばず、気づくと入団から10年近くが経過。

試合終盤での守備固めや代打でしか使われない状況にもかかわらず、本人は「いつかレギュラーになるだろう」と切迫感なく日々を過ごしていました。

2005年オフ、森野選手は落合監督から呼び出され「レギュラーを取りたいか?」と聞かれます。

森野選手が「はい」と答えると、落合監督は続けざまに「立浪からレギュラーを奪う覚悟はあるか?」と質問。

森野選手はすぐに返答できませんでした。立浪選手はドラゴンズの顔であり、絶対的中心選手として君臨していたからです。

森野選手の返答は、同年の秋季キャンプにありました。サードの守備に就き、落合監督からの特打ノックを受けていたのです。

そう、森野選手は立浪選手に対し「サードのレギュラーを奪う」と宣戦布告したのでした。(つづく)

みどころ

いままで危機感なくプロをやっていた森野選手が、レギュラーを取れる最後のチャンスを突きつけられ、自らの野球人生を賭けてレギュラー争いに臨む姿は胸に刺さるものがあります。

いままで何事もそこそこにこなしてきて「自分の人生このままでいいのかな」と感じている人には、一読することをおすすめしたい物語です。

落合さんに火をつけられ、人生が変わっていく森野選手のドラマをぜひ目撃してください。

【嫌われた監督】日本シリーズ完全試合未遂

こんな物語

『第5章 岡本真也 味方なき決断』

2007年、ドラゴンズはレギュラーシーズンを2位で終えたものの、クライマックスシリーズを勝ち抜き日本シリーズに進出。

日本シリーズでも3勝1敗とリードし、日本一に王手をかけて迎えた第5戦、先発の山井投手は初回から好投し、一人のランナーも許さない”完全試合”ペースを続けます。

1-0、ドラゴンズ1点リードのまま最終回に突入した時、落合監督はそれまで完全試合ペースを続けていた山井投手に変え、絶対的守護神岩瀬投手を投入します。

山井コールで沸き立っていたナゴヤドームが一転、釈然としないざわめきに変わる中、ブルペンで一部始終を見ていたリリーフの岡本投手の脳裏には、過去の苦い思い出がよぎっていました。(つづく)

物議を呼んだ歴史的采配の裏側で落合監督、森コーチ、山井投手、岩瀬投手、岡本投手、それぞれが抱いていた思惑が明らかになります。

みどころ

歴史的采配を決断した落合さんの核心に、著者が迫るシーンは見ものです。

山井投手を交代させたのは、山井投手が自ら「変えてください」と言ってきたからだと、落合監督は試合後のインタビューで語っています。

たしかに山井投手の発言は事実であり、森コーチも直接その言葉を聞いています。

しかし、長年落合監督を取材していた著者は、落合監督の言葉の裏に何かスッキリしないものを感じていました。

日本一の祝勝ビールかけのあと落合さんと会う約束をしていた著者は、その場で落合さんに問いただします。

本当はあらかじめ交代させるつもりでいたのではないかと。

一瞬の間を置き、落合監督は返答します。その返答をあなたはどう思うか、ぜひ読んで体感してみてください。

【嫌われた監督】女傑・信子夫人

こんな物語

第3章「福留孝介 二つの涙」

2006年9月、シーズンも終盤戦に入り激戦が繰り広げられるさなか、ある事件が取材関係者の間にかけめぐりました。

試合中に落合監督のかばんが紛失し、盗難の可能性もあるというのです。

中には落合監督が大切にしていたお守りも入っていました。

取材陣の前でがっくりと肩を落とし落ち込む落合監督。

実は失くしたお守りには、信子夫人と交わしたある約束が込められていたのでした。(つづく)

みどころ

落合監督と信子夫人の馴れ初めが書かれており、信子夫人との出会いが、落合監督の人生を変えたことがよくわかる物語になっています。

特にあることを行い、落合監督に覚悟を持たせた信子夫人の男前エピソードには痺れました。

信子夫人への”オレ流”アプローチも、落合監督らしく変人的で笑えます。

【嫌われた監督 感想・書評】こんな人におすすめ

【おすすめできる人】

プロ野球が好きで、ドラゴンズ黄金期(2004~2011年)をリアルタイムで見ていた人

黄金期のドラゴンズの裏側で繰り広げられていた物語に、心揺さぶられること間違いなしです。

【おすすめできない人】

プロ野球に興味がなく、ドラゴンズ黄金期を知らない人

ドラゴンズ黄金期の裏側を描いているため、表側(起こった出来事)や基本的な野球のルールを知らないと楽しめません。

【嫌われた監督 感想・書評】ほかの人の感想

【嫌われた監督 感想・書評】まとめ

今回はドラゴンズ黄金期と落合監督の物語をつづられた『嫌われた監督』の紹介でした。

本記事で紹介した物語以外も、野球ファンにはたまらない内容になっていますので、よかったらチェックしてみてください。

ではまた!

X(旧Twitter)でも様々な作品の感想や紹介をつぶやいていますので、よかったらのぞいてみてください。

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楽しい記事になっていますので、よかったら見ていってください。

りらっくすねこ

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