恒川光太郎さんの『夜市』が面白かった。
他の人の感想や考察を見て、さらに作品を楽しみたい!
今回は恒川光太郎さんの『夜市』を読んでみました。
後半の『風の古道』含め、怖い物語かと思いきや、優しさと物悲しさが印象的なとてもエモい作品でした。
ところで、もしあなたが夜市に迷い込んでしまったら何を買いますか?楽しそうですけど、すごく悩みそうですよね。
そこで今回は万が一夜市に迷い込んでしまった時、後悔する買い物をしないよう、購入レビュー(架空)をご紹介したいと思います。
- 夜市購入レビュー 買って後悔したもの3選
よかったら気軽に読んでいただき、楽しい時間を過ごしてもらえれば嬉しいです。
【小説『夜市』 感想・考察】こんな話でした
妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷いこんだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。
野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた――。
奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂をゆさぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
引用元:角川ホラー文庫『夜市』裏表紙のあらすじ
【小説『夜市』 感想・考察】夜市購入レビュー 買って後悔したもの3選
夜市に行った人が買った物のレビューを書き込む ※『YOIZON』。
ここに書き込まれていた様々なレビューの中で、特に評価の低かった商品とレビューをご紹介します。
紹介する商品は次の3つ
- 透明人間になれる機械
- 美人になれる美容液
- 不老長寿の薬
1つずつご紹介します。
※『YOIZON』は架空のレビューサイトです。
透明人間になれる機械
まさと 30代後半 男性
評価:
私は都内でサラリーマンをしている独身男性です。
ある日の会社の帰り道、いつもの帰宅路を歩いていると、道沿いにある駐車場の隅の方が青白く光っていました。
何だろうと興味本位で近づいてみると、その青白い光は、いびつな形で空間にぱっくりと開き、ちょうど人ひとりが通れる大きさでした。
恐怖心を持ちつつも、中をのぞいてみたいという衝動に駆られた私は、おそるおそる青白い光の中に入ってみました。
するとそこには多くの屋台が立ち並び、得体のしれない奇妙な生き物たちが行き交う場所、まさしく夜市だったのです。(夜市であることは後でわかった)
おかしなところに来てしまったと思い、すぐに引き返そうとしたのですが、すぐ後ろにあるはずの青白い光は消えていました。
焦った私は夜市の中を走り回って出口を探し回りましたが、全く見つかりません。
しばらく走り回っていると、同じように夜市に迷い込んだ様子の人がいたので、その人に尋ねると、夜市内で何かを買わないと外に出られないとのこと。
なんて理不尽だと思いましたが、とにかくここから出たかったので何か買うことにしました。
それで購入したのが今私の目の前にある『透明人間になれる機械』。
なぜこの商品を選んだかというと、価格が10万円と夜市内では比較的安価だったというのもありますが、正直なところ、エロいことを想像してしまったからです。
男性なら一度は妄想するであろう、透明人間になって女風呂や更衣室をのぞく、あれをやりたいという衝動に駆られてしまったんです。
購入後、家に帰って梱包箱を開けてみると、学校にある黒板消しクリーナーぐらいの大きさの機械と充電コードが入っていました。
黒板消しクリーナーぽい機械が本体のようで、色はショッキングピンク、でっかいハートマークが両側面についておりその下に『TONKIU』(メーカ名?)という謎の黒文字が入っています。
まるで夜の営みの時に使う何かのようなデザインで、めちゃくちゃダサいです。
同封の説明書(日本語で書かれていた)を読むと、全裸で機械を持ちスイッチを入れるだけで透明人間になれるとのこと。
早速全裸になり、機械(2リットルのペットボトルぐらいの重さ)を持ってスイッチを入れるとすぐに自分の体が透けてきて、10秒ぐらいで全身が透明になりました。
鏡の前に立っても全く自分の姿は見えません。透明人間になっていることに興奮していると、機械を持っている手がどんどん熱くなっていき、あまりに熱すぎて持てなくなったので1回床に置きました。(電子レンジで温めすぎたおかずの皿ぐらい熱かった)
もう一度説明書を読むと、本体はスイッチを入れるとかなり熱くなるため、必ず同梱のグローブで持たなければいけないとのこと。
箱の中を確認すると、オーブンから物を出し入れするミトンのような形をした、布製のピンク色のグローブが入っていました。
グローブをはめてもう一度機械を持ちスイッチを入れると、今度は熱くありませんでした。
準備万端と判断した私は、さっそく近所にあるスポーツジムの女子更衣室をのぞきに出発。
ジムへ行く途中もジムへ入ってからも、裸で歩いている私に誰も反応しなかったため、私の姿は他の人に見えていないことを確信しました。
女子更衣室に入ると、昨今の筋トレブームもあってかスタイルのいい女性がたくさんいて、私はもう興奮してニヤニヤがとまりません。
しかもこのジムにはお風呂やサウナもあるため、女性たちのさらにすばらしい姿を拝めるのです!
すぐにでもお風呂に直行したいところでしたが、お楽しみは後にとっておくことにして、まずは皆さんの生着替えをじっくりと拝ませてもらうことにしました。
全裸で、片手にオーブン用のミトンをはめてピンク色の黒板消しクリーナーを持ち、ニヤニヤしながら女子更衣室をうろうろしている姿は、変態以外の何者でもありません。
しかし、他人に自分の姿は見えていないので大丈夫!という変な自信さえ、そのときの私には芽生えていました。
ただここからが問題でした。しばらく更衣室で女性たちを眺めていると、持っていた機械からモーター音がしてきたのです。
最初は小さな音だったのですが次第に大きくなっていき、最後には掃除機ぐらいの音がするようになっていました。
「ブウォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
大きな音が更衣室中に鳴り響き、女性たちが何事かと私の方を見てきました。
そのうち女性スタッフと利用者から駆けつけてきて「何もないところから掃除機のモーター音みたいな音が聞こえるんです!」と私の方を指してきたのです。
何か大ごとになってしまったと思った私は思わず、「す、すみません」と小声で謝ってしまいました。
すると「今なんか、すみませんって聞こえませんでした?」「聞こえた聞こえた!」「なんか霊的なのがいるんじゃないの!?」と大騒ぎになってしまいました。
私はやむなくその場をダッシュで退散し、帰宅しました。
その後、何度か機械を使い同じジムへ行きましたが、結果は同じで行くたびに騒ぎになってしまいました。
説明書には記載されていませんでしたが、しばらく使っているとモーターを冷却するためにファンが回転するようで、その音のようでした。
私のせいでその近所のジムには、女子更衣室に掃除機を持った幽霊が出るとのうわさがたち、神社の神主がお祓いにくる事態になっていました。
使えない代物だと分かったので売ろうと思い、後日ハードオフに持っていくと値段がつかず買い取ってもらえませんでした。
理由を訊くと、すでに同じ商品を10台以上買い取っており、これ以上買い取らないことになったというのです。
嘘だろと思い、帰りに店内のショーケースをのぞくと、自分が持っている透明人間になる機械と同じものがずらりと並んでおり、2,000円程度で売られていました。
夜市に迷い込み、自分と同じく邪(よこしま)な気持ちで購入して後悔した人がたくさんいることを知ると同時に、自分の浅はかさを恥じました。
今後夜市に迷い込んだ際は、邪な気持ちでこのような商品には手を出さないようにしようと思います。
美人になれる美容液
かなっち 20代後半 女性
評価:
職場の飲み会の帰り、酔っぱらって近所の公園のベンチで休んでいたら、少し離れたところにある大きな木の裏側から青白いもやのような光が見えたんです。
気になって近づいてみると、その青白い光は人と同じぐらいの大きさで、何かの入口のようにぱっくりと空間に穴を開けていました。
とても怪しかったのですが、私は心霊やホラー映画が大好きなので確かめてみたいと思い興味本位で中に入ってしまったんです。
するとそこには青白い光を放つ出店が立ち並び、怪しげな妖怪たちが行き交う縁日のような場所でした。(今思うとそこが夜市の入口だった)
これはいいネタになるぞと思い、夜市内をうろうろして色んな店を見て回り、そろそろ帰ろうと思ったら出口が中々見つかりません。
それで近くにいた、店を営んでいる髪の毛が草になっている少女に尋ねたところ、何かを買わないと外に出られないという夜市のルールを教えられました。
愕然としましたが、とにかく何か買って早く帰ろうと思い、夜市内を再びうろついていると、一つ目のゴリラが営んでいる店をみつけました。
一つ目ゴリラにどんなものを売っているか尋ねてみると、いち押しの商品があるといって透明の小瓶を見せてきました。
その小瓶は『美人になれる美容液』らしく、毎日顔に塗りこんでいるとどんどん美人になっていくとのこと。
使用した女性はもれなく美人になっているらしく、一つ目ゴリラがいる世界ではアイドルやモデル、女優など、容姿を活かした仕事についていると話していました。
一つ目ゴリラもこの美容液を使っている女性に一目ぼれして結婚したと、照れくさそうに言っていました。
しばらく彼氏がおらず、美人になってモテたいという願望を持っていた私は、その商品を購入することに。
キャンペーン中とかで通常10万円のところを特別価格の5万円で売ってもらいました。小瓶の裏のQRコードから継続購入の手続きもできるとのことでした。
夜市から戻った翌日からさっそくその商品を毎日使っていると、目に見えて自分の顔が変わっていったんです。
顔が丸くなり、目が大きくなり、どんどん魅力的になっていく自分の顔に正直ご満悦でした。
その後も顔はどんどん変化していきました。彫りが深くなり、鼻の穴が大きくなり、鼻下が伸び、下あごが発達し…。
美容液を使い始めてから10日目の朝、朝起きて鏡を見るとそこにはふさふさの顔毛を蓄えた完全なメスゴリラが映っていました。
私はショックのあまり絶句。
頭を抱えて「何このかおおおお」と絶叫してしまったのですが、鏡に映ったその顔がすごく面白くて大笑いしてしまいました。
しばらく鏡の前でゴリラ顔を生かした変顔やポーズをして遊んだ後、それどころではないことに気がつき、とりあえず会社に体調が悪いのでしばらく休むと連絡を入れました。
その後、なぜメスゴリラ顔になってしまったのかメスゴリラ顔で冷静に考えた結果、この美容液はゴリラ目線の美人になれるものだったのだという結論にいたりました。
あの一つ目ゴリラがいる世界は、ゴリラが文明人(私たちの世界でいう人間)で、文明人はゴリラしかいないため、ゴリラ専用の美容液が作られていた。
だから人間の私には適応しなかったのだというのが私の推察です。
使い始めて1週間後ぐらいから同僚が訝しげに私の顔を見てくるようになったので、その時に気づくべきでした。
私はてっきり自分の顔がどんどん美人になっているので、皆が私の美人ぶりに見とれているのだと勘違いしていました。
その後極力外出せず、1週間ぐらい美容液の使用をやめると、元の顔に戻ったのでほっとしました。
効用について詳しく訊かずに買った私も私ですが、あの一つ目ゴリラも説明不足だと思います。ゴリラ以外が使った場合どうなるのかちゃんと説明すべきです。
5万円無駄に使ってしまいました。5万あったら北海道旅行とか行けたし、炊飯器を最新のものに買い換えたりできただろうに…。そう思うと、あのゴリラの照れ笑いを思い出しイラっとしてしまいます。
まあ、せっかく買ったしもったいないので、ハロウィンでコスプレする時とかに使うかもしれません。
不老長寿の薬
かきまろ 1397歳 男性
評価:
信じられないかもしれませんが、私は飛鳥・古墳時代の生まれで、大化の改新をおこなった中大兄皇子(626〜671年)と同い年です。
なので今年で1397歳になるのですが、なぜこんなに長生きなのかというと、例の夜市で不老長寿の薬を手に入れ服用したからなのです。
私は豪族(大きな財産や権力を持ち、特定の地域を支配している一族)の長男として生まれ、何不自由なく育ち、父親の後目を次いで首領となったのですが、もともと病弱で体力がないのが悩みでした。
体力がないので、当時豪族界隈で流行りはじめていた蹴鞠(けまり)、けもの狩りなど体力を使う活動に参加できませんでした。
豪族は蹴鞠(けまり)やけもの狩りを通じてほかの地域の豪族達と仲良くしたり、より権力のある人物に気に入られたりすることで、勢力を維持・拡大していきます。
そのため、こうした外交に参加できないというのは豪族として死活問題なのですが、しばらくは隠居した父が代わりに担ってくれていました。
しかし、父が病気で急死した後、外交を担う人物がいなくなってしまいました。兄弟や親戚はいますが、ほかの地域の豪族として活動しているのでなかなか頼れません。
このままでは私が統治している地域が、ほかの勢力に飲み込まれてしまう。危機感を感じましたが、有効な手立てが思いつかず、途方にくれていました。
ある日の夕方、領地内の山中をひとりで散歩していたところ、脇道のやぶの中に青白い光が灯っているのを発見しました。
恐る恐る近づいてみるとたくさんのお店が並び、この世の者とは思えない怪しげな生き物が行き交っていました。そこはまさしく夜市だったのです。
怖くなってすぐに引き返そうとしたのですが、さっき自分が通って来た道が消えていました。近くにいた妖怪が焦っている私をみて、夜市で何かを買わないと外の世界に出られないことを教えてくれました。
早く何かを買って外に出ようと思い、焦りながら夜市内を歩き回っていると、髪の毛が草になっている少女が営んでいる店にたどり着きました。
その少女にどんなものを売っているのか話を聞くと、健康かつ不老長寿になれる薬草もあるとのこと。
病弱なために領地を維持できないかもしれないと案じていた私にぴったりな商品だと思い、購入を即決。
価格は今の貨幣価値で5億円ほどでしたが、私が手首につけていた数珠が大変高価なものだったため、数珠と交換で購入できました。
薬草の効果は絶大でした。薬草煎じたお茶を飲んだ後の私はまったく病気をしなくなり、体力も湯水のように湧いてきてバテることもなくなったんです。
体が強くなった私は、けまりや獣狩りにも積極的に参加し、周囲の豪族とも友好関係を築きながら領地や権力を維持、拡大。
姫君たちとのアバンチュールなども楽しめるようになり、この世の春を謳歌している気分でした。
その後も貴族、武士、資産家と立場を変えながら1000年以上の間、私と私の一族はますます繁栄し、まさに言うことなしの最高な人生を送り続けました。
ただ、長寿になれるとは聞いていましたが、1000年以上生きることになるとは想定していませんでした。
1000年以上生き、十分すぎるほどの人生経験を積んだ私は、正直19世紀終わり頃(1890年頃)から人生に飽き始めていました。やりたいことはすべてやってしまいましたから。
世の中のありとあらゆる美味しいものを全部食べる、世界一周する、いい馬を飼って貴族仲間に見せびらかす、信頼できる筋から有名人のゴシップを全部聞く、忍者、遠山の金さん的な奴、水戸黄門的なやつ、悪代官、女遊び(「おやめくださいお代官様、あーれー」もやった)など、もう思いつくことは全部やりつくしました。
今の状況を例えるなら、RPGのゲームを全クリし、クエストも全部やりつくし、アイテムもコンプリートし、やることがなくなって、広大なエリア内をただうろうろしているみたいな感じです。
本当に暇で、あとはいつ死ぬのかぐらいしか興味がない状況です。
「死ぬかもな」と思ったことは何度かありました。
鎌倉時代、2人に1人は死ぬと言われる疫病が流行。有効な治療薬もなく、自分の周りの人間も全員が罹患し、うわさ通り半分ぐらいの人が亡くなりました。
不老長寿の薬を飲んでいた自分も、今回は運が悪ければ死ぬだろうなと思っていたのですが、自分だけはまったくかからずピンピンしていました。
その後疫病は終息。難を乗り越え生き残った人々の間には、何か一体感のようなものができており、罹患しなかった自分は疎外感を感じていました。
当時友達との酒の席で ”疫病あるある” の話題がよくあがったのですが、罹患していない自分はまったく共感できませんでした。
ただ、話題についていけず孤立したくなかったので、「わかるわー」「それなー!」とわざと大げさにリアクションし、共感しているフリをしていました。
なんか、すごくむなしい気持ちでした。本心から疫病あるあるで盛り上がりたかったです。
江戸時代に悪代官をやっている時には、暴れん坊将軍的な人に切られたこともあります。
シチュエーションはドラマとほぼ同じでした。夜に越後屋と密談をしている時に、暴れん坊将軍的な人が現れ、悪事を見抜いたので成敗すると言われました。
私は手下を呼んで「この者を始末せよ!」と指示したのですが、暴れん坊将軍的な人はあれよあれよと手下たちを刀で切り倒し、最後に私自身もバッサリと切り倒されてしまいました。
しかし、ここからがドラマとは違いました。
切り倒されしばらく経った時、私は意識を取り戻しました。私自身もびっくりしました。完全に死んだと思っていたので。
あたりを見回すと部下たちの死体の山。私自身も胸から腹にかけてばっさりと切りつけられ、傷口は内臓まで達しているようで、どう考えてもこれは死ぬだろうという深手を負っていました。
にもかかわらず少し痛みがある以外はなんともなかったので、その日はそのまま帰宅し、傷口に包帯を巻いて寝ました。
どうやら不老長寿の薬には、不死身の要素も少しあるみたいです。
傷口は数週間で完全にふさがり全快。すっかり元気になった私は再び悪代官として暗躍しますが、またも暴れん坊将軍的な人に見つかってしまい、ドラマと同じシチュエーションで切り倒されてしまいます。
しかし、またもや私は生きていました。前回と同じくしばらくして意識が戻ったため、そのまま帰宅し軽く手当をして寝ました。
こんな感じで、悪代官として暗躍 → 暴れん坊将軍的な人に見つかり切り倒される → 意識を取り戻し回復 → 悪代官として再暗躍を、5回ほど繰り返しました。
6回目の再暗躍で暴れん坊将軍的な人に見つかった時、暴れん坊将軍的な人が訝しげな表情で「お前、どこかで会ったことがあるな」と言ってきました。
やばいと思いました。自分が死んでいない事がバレたら、今度は確実に息の根を止める殺され方をされる。たぶんいつものような胸や腹を切られる系ではなく、首をはねる系などでやられる。
そう思った私は「知らん、おぬしとは初対面だ」と返しました。
暴れん坊将軍的な人は首をかしげていましたが、なんとかその回はいつもの腹を切られる系で成敗されることで一件落着。わたしも無事意識を取り戻し、帰宅しました。
まずかったのは次の暗躍でした。成敗された翌週に見つかってしまったのです。
さすがに暴れん坊将軍的な人も覚えており「貴様、先週の悪代官だな!生きておったのか!」と言ってきたので、これはやばいと思い、手下と戦わせている間に、掛け軸の後ろの秘密の通路から逃げ出しました。
なんとか逃げ切った私は、以後”悪代官業”からは足を洗い、暴れん坊将軍的な人が死ぬまで地方の田舎町で身を隠しました。
20世紀半ば、太平洋戦争の時にも死を覚悟したことがあります。
戦争末期、近所の人の元には続々と赤紙が届き、男性たちが戦地へ出兵していきました。
たぶん近いうちに私のもとにも赤紙はくるだろうと覚悟していましたが、来ませんでした。
たぶん年齢が1300歳を超えていたため、一応おじいちゃん扱いで召集の対象外になっていたんだと思います。
不老長寿の薬を飲んでいる私の肉体年齢は30歳ぐらいなので、全然兵士として戦える体だったのですが…。
このように何度かの危機を乗り越えて生きながらえてきたのですが、もうそろそろ老衰で死んでもいいと思うのです。(※自ら命を断つのは嫌です。怖いし。)
さすがに長すぎます。たしかに薬の瓶には「※長寿の効果には個人差があります」とありましたが、せいぜい100〜150年ぐらいの範囲かなと思ったんです。
まさか、1300年以上生きてしまうなんて思わないじゃないですか。
この前健康診断に行ったら、どこも悪いところはなくすこぶる健康だったため、すごくがっかりしました。死ぬのはまだまだ先のことのようです…。
不老長寿の薬は長寿になりすぎて人生に飽きてしまうので、買わない方が無難だと思います。
【小説『夜市』 感想・考察】まとめ
今回は小説『夜市』について、夜市に行った人たちのレビュー(架空)を紹介してみました。
ちなみに僕が夜市に迷い込んでしまったら何を買うかなと考えてたのですが、おそらくさんざん迷った挙句、資金面のことも考えて『おしりのブツブツを消す薬』を買うことになるだろうという結論にいたりました。ドラッグストアで買えますね。笑
もし夜市に迷い込んだら何を買うか、考えてみると結構楽しいですよ。
ではまた!
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