『ぼぎわんが、来る』のネタバレ考察・感想!最後の寝言の意味は〇〇

『ぼぎわんが、来る』めちゃめちゃ怖くて面白かった。他の人の考察も知りたいな。

『ぼぎわんが、来る』は最後まで謎の部分もあった。どういう事だったんだろう。

この記事は上記のような要望に応えます!

澤村伊智さんの『ぼぎわんが、来る』を読みましたが、最後までゾクゾクさせる作品でとても面白かったです!

一方、最後まで謎が残る部分もありましたよね。

そこで『ぼぎわんが、来る』の僕なりの考察・感想を書いてみました。

この記事でわかること
  • ラストの知紗の寝言の意味は○○
  • 琴子は人間ではない?
  • ぼぎわんの正体
  • 印象に残った人物

友達とおしゃべりするような感覚で気軽に読んでいただき、楽しい時間を過ごしてもらえれば嬉しいです。

目次

【ぼぎわんが、来る 考察・感想】こんな話でした

”あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん――。

幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。

一連の現象は亡き祖父が恐れた”ぼぎわん”という化け物の仕業なのか。

愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性霊能者を頼るが……⁉

全選考委員が大絶賛! 第22回日本ホラー小説大賞 <大賞> 受賞作。

引用元:角川ホラー文庫『ぼぎわんが、来る』裏表紙のあらすじ

【ぼぎわんが、来る 考察・感想】最後まで残った謎の部分

この小説は最後まで謎だった部分も多かった。いったい何だったんだろう。

そうなんです。僕も気になるところがありました。

そこで最後まで謎だった部分について、僕なりに考察してみました。

内容は以下のとおり。

CHECK
    • ラストの知紗の寝言は、誰かが呪いはじめたサイン
    • 琴子は人間ではない存在?
    • ぼぎわんの正体はやさしい幽霊

1つずつ説明します。

ラストの知紗の寝言は、誰かが呪いはじめたサイン

物語のラストで、真琴に抱っこされた知紗がつぶやいた寝言。

「んああ・・・・・・さ・・・・・・」
知紗の口から声が漏れた。
「・・・・・・さお・・・・・・い、さ、むあ・・・・・・んん・・・・・・ち、が・・・・・・り」

引用元:角川ホラー文庫『ぼぎわんが、来る』370P

中盤で、知紗がぼぎわんに憑りつかれた時にもつぶやいていましたよね。

このつぶやきの少し前に野崎が「この件はまだ終わっていない」と言っていることからも、ぼぎわんが動き始めたことを示唆する描写です。

この寝言、どう解釈しましたか?

僕は、また誰かが知紗の周囲の人間を呪いはじめたのではないかと考察しています。

なぜなら、ぼぎわんは呼ばないと来ないからです。

では仮に誰かよんだとすれば、それは誰なのか。

作中に登場した人物なのか、別の人物なのか。

いずれにしても”新たな恐怖”が生まれてしまったのではないでしょうか。

琴子は人間ではない存在?

物語の終盤から姿をあらわした琴子は、非常にミステリアスな存在でした。

特に謎だったのは、ぼぎわんとの戦いでシャツを真っ赤に染めるほど大けがを負ったはずなのに、たった半日程度で病院を退院したことです。

琴子は病院で治療を受け、翌朝すぐに退院した。次の仕事に向かうという。

引用元:角川ホラー文庫『ぼぎわんが、来る』366P

一緒に戦い大けがを負った野崎は、手術を受けしばらく入院した様子でした。

にもかかわらず、野崎以上のケガを負ったであろう琴子が、なぜ半日程度で退院できたのでしょうか。

もしかすると、琴子は人間ではない、何か別の存在なのかもしれません。

琴子の正体については、比嘉姉妹シリーズで語られているかもしれませんね。

作中の登場人物、比嘉姉妹が登場するシリーズ

ぼぎわんの正体はやさしい幽霊

ぼぎわんの正体は作中である程度判明したものの、はっきりしない部分もありました。

一体ぼぎわんとは何者なんでしょうか。

僕は、元は悲しい死に方をした幽霊だったのではないかと考えています。

以下は僕の仮説です。

仮説

昔、人に愛されずこの世に未練を残して死んだ幽霊がいた。

ある時、生活苦から最終手段として口減らしを決意した人たちがいた。

幽霊は人々の様子を見て、口減らしの対象になった子供やお年寄りをさらった。

人々は安堵し、生活苦からも何とか抜け出すことができたので、子供やお年寄りをさらった存在に感謝した。

幽霊は人々に感謝され必要とされていることが嬉しくて、その後も口減らしを手伝い続けた。

人々はいつからか、人をさらう存在(幽霊)を「ぼぎわん」と呼ぶようになった。
人々とぼぎわんは良好な関係を築いていた。

時代が進み豊かな生活ができるようになった頃から、人々はぼぎわんを個人的な怨念や嫉妬を晴らすために利用するようになった。

人をさらうだけだったぼぎわんが、人の心身に危害を加えるようになり、凶悪化していった。

人間の恣意的な企みが、優しかったぼぎわんを凶悪化させ、恐怖を招いてしまったのかもしれません。

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【ぼぎわんが、来る 考察・感想】印象に残った登場人物

ここでは個人的に印象に残った登場人物についてご紹介します。

内容は以下のとおり。

CHECK
    • ウラの顔を持っていた秀樹の祖母
    • ”激イタ”パパ 秀樹
    • ぼぎわんを”素手”でいく琴子

ひとりずつ説明します。

ウラの顔を持っていた秀樹の祖母

個人的に一番怖かったのは秀樹の祖母です。

冒頭では秀樹の祖父を優しく介護し、祖父の葬式でも楽しい思い出話に華を咲かせ、最後は涙をうるませてた祖母。

しかし、心の奥底では子供を死に追いやった祖父を恨んでおり、魔導符のお守りまで作り「一生かけて呪い苦しめてやる」と思っていました。

終盤、琴子と野崎が”祖母の本心”を突き止めた時は一番ぞっとしました。

表向きはニコニコして楽しそうなのに、実は心の中は憎悪に満ちあふれている。

やはり一番怖いのはぼぎわんではなく人間だということを痛感させる人物でした。

”激イタ”パパ 秀樹

父親としての秀樹はイタすぎではないでしょうか。(笑)

妻にも娘にも嫌われていることに気づかず、秀樹自身は立派に父親をやっていると思っている。

パパ活では、パパ友たちに自作のポエムを印刷した名刺を配る始末。

このポエムがまたさむい(笑)

〈青い空 白い雲
鳥たちのさえずりで ふかふかベッドから飛び起きた
さあ! パジャマを脱いで出かけよう
砂場の迷路を掘り進み ジャングルジムの森を抜けたら
ママの笑顔と サンドイッチが待っている
「こどものだいぼうけん」作:田原秀樹〉

引用元:角川ホラー文庫『ぼぎわんが、来る』177P

さむすぎます。黒歴史確定です。

おそらくパパ友たちも「さすがにこのポエムはキツいな」と引いていたことでしょう。

死に方には同情してしまう

そんな”激イタパパ”の秀樹ですが、死に方についてはちょっと同情してしまいます。

秀樹は、ぼぎわんに頭と顔半分を食われ、顔をゆがませて死んでいました。

秀樹には申し訳ないですが、読んでいてちょっと笑いそうになりました。

僕が秀樹なら、こんな食われ方をするならいっそのこと首から上全部いってほしいです。(笑)

ほかにも、生前娘に陰で「クサいからきらい」みたいなことを言われ、死後は妻に「死んでくれてスッキリした」とまで言われていました…。

ちょっとかわいそうすぎませんか。(笑)

秀樹さん、どうかやすらかに成仏してください。(合掌)

ぼぎわんを”素手”でいく琴子

ぼぎわんと”素手”で戦った琴子はとても魅力的でした。

終盤の琴子とぼぎわんのバトルで、琴子はぼぎわんのアゴを素手でつかんでいましたよね。

得体のしれないモノを”素手”でつかむ琴子に僕は、

「おー、ぼぎわん素手でいくかー、すごいな」とその勇気に惚れてしまいました。(笑)

僕は見たことない虫でさえ、素手でさわる勇気はないです。(笑)

【ぼぎわんが、来る 考察・感想】まとめ

今回は『ぼぎわんが、来る』の考察・感想を語ってきました。

本書は、得体のしれない存在がせまってくる、返事をしてはいけないといった昔からよくあるホラーではありました。

しかしながら、臨場感のある描写や語り手の視点によって異なる解釈、民俗学などをベースにしたリアリティによって、本当に恐ろしい体験ができる作品だと思いました。

今回登場した比嘉姉妹が登場するシリーズ作品はまだ読んでいないので、今度読んでみよう思います!

ではまた!

X(旧Twitter)でも様々な作品の感想や紹介をつぶやいていますので、よかったらのぞいてみてください。

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楽しい記事になっていますので、よかったら見ていってください。

りらっくすねこ

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